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第52回 リクオと美紗子ちゃん
ひさしぶりにライブに行った。リクオのハプニング・デイという企画ライブ。
そこに小谷美紗子がゲストで出てて、生で歌を聴くことができた。
CDでは聴いてたけど、「エーデルワイス」が好きだったけど、
生はすごかった!
もうこの人は「ほんとうが宿ってる」ので
「あー」と声を出すだけですごいの。
こういう人だから歌詞もいいんだけど
歌詞とかもうどうでもいいの。
すごい人というのは、音を出してる時以外の間(ま)が、すんごいの!
濃いいのです。
そこが音楽なのです。
と、いうことを、坂田学を見た時も思ったなあ。
あー、私も頑張りますよー!
今晩は、久しぶりに良い気持ちでぐっすり眠るとします。
リクオと美紗子ちゃん、おやすみなさい。
第53回 月と火星
火星が只今大サービス中、と知ったのは
私が「とんち和尚」と呼んで慕っている友人からだった。
しかしどれが火星なのかよくわからないまま日々が過ぎていたが
「筋のばし」練習の帰り道、吉野くんとベティさんが
あの月のとなりにあるのが火星、と教えてくれた。
見ると月の右下にキラリと星が光っていた。
ほえ〜。
いや〜普段はあんなとこに星はなかったね。
なんだか月も嬉しそうだ。
「まあ隣りにいるみたいに見えるけど、実際は隣りにいるわけではないんやね」
「そうそう、トミーズの雅がちょっと後ろに立って自分を小顔に見せてるような感じやね」
と、この二人が解説してくれた。
わはは〜と聞いていたが、あれれ?この火星はいつからここにいたのかな。
昨日の晩、私はビルの間に見える月を話し相手に家に帰ったけど
その時こんな星はなかったような・・
今田さんも「昨日はなかった!」と言っている。
不思議だ・・しかしベティさん曰く「しばらくここにいる」らしいから
楽しい日々はまだ続くのだ。
「火星ばっかり見てんとオレもみてくれ!」
と吉野くんが月の気持ちを代弁していた。
面白いので火星情報はテレビなどではなく、
友人からのみ受け取ることにしよう。
しかし今この時、夜空を見上げる人口が激増していることは、
まことに愉快なことよのう。
第54回 フランシス
私の住居は屋上に簡単に上がれるので
昨晩、ちょっと思いついて屋上で空を眺めてみた。
15分か20分くらいいて、ムーンライト吸い込んだみたいな感じで
寝る段になって目を閉じると瞼の裏にさっき見た星空が浮かんだので
これはいいぞと思った。
大都会にいようが、私達は星空の下で眠るのだ〜と嬉しくなったが
その内、困ったことになかなか寝つけないことに気づいた。
なんでだ〜。
夜眠れないということは絶対ない私が
寝返りを打ちつつ、しまいに肩こりも感じて
朝方まで眠れなかった。
月で酔っぱらったのかな。
危険だからやはり夜は早く寝よう。
と思ったが今日も屋上へ上がってしまった。
そして月を見ながら、不思議なちからを感じていたが
ふいにおなかが空いたことに気づいた。
「さっき買ったヨーグルト食べよ」
と思ってすこしほっとして部屋に帰った。
私の中の「花よりだんご」感にほっとしたのだった。
さらにテレビをつけたらダウンタウンが出ててほっとした。
うーん助かった。
おやすみなさい、フランシス。
第55回 月夜の散歩
夜の交差点でヘッドライトが次々と走り去るのを見ていた。
こんなふうに私の間違い全ても
どんどん持って行ってくれないだろうか
そして、それぞれの工房で
ご機嫌な職人たちよ
好きな角度で切りとって
役に立たない美しいものか、
あるいは
誰か一人だけに役に立つ道具か何かに
作り変えてはくれないだろうか
いやそれは、私がやりたい仕事だった
私のやりたい仕事
そう思えたのは
月のきれいな晩だったから
第56回 手のひらの朝
仕事の帰りだった。
なんだか遅くなってしまった。
もう少し、もう少しで眠れる。
けどその前に
閉店間際のアフタヌーンティーに行って
まだ出番の来ない、働き者の歌を聴いた。
しっかり者のボウル。
カップの内側は夢のようなピンク。
目にしみるオレンジと空色のトレー。
ナプキンにはスキップのような刺繍。
このマグカップの鳥達は、
どんな会話の旋律の上を飛ぶのだろうか。
確かなものなど何もない。
このカップ一個分。
の重さの朝が来れば
それでいい。
第57回 運動会日和
駅を降りると大きい池を通り過ぎて
住宅地まで。
今まではこの町に来るとなぜかいつも曇りで、
さっさと通りすぎるだけだが
今日はなぜか気持ちいい。
この一本道が北海道に来たみたいにさわやか。
両手をグーンと伸ばすと影の私も伸びるー。
やーどうしたのかな?
と、思ってたらこの町は明日運動会と言う事だった。
だからだ!
明日は絶対晴れるので町中が張り切ってる。
お母さん達は買い出しに出かけて、今だけしんとしてる。
私は学校の行事では運動会が一番好きだった。
といっても走るのが速いわけではないので
トラックの周りに椅子を並べて
応援するのが好きだった。
背が低いのでいつも一番前に陣取って
走るかっこいい友達をどきどきして見ていた。
それから入場行進も好きだった。
空を渡るいろんな色の国旗の下、
なんだか晴れがましいからさあ。
母こそは応援好きで
知らない子でもなんでも大声で応援したいため
知り合いのお母さんが横にいると
世間話になってだめだから
いつも一人で来ていた。
これはどう考えても
高校野球が始まると一度はアルプス席に混じって
応援せずにはいられない私と同じだな。
そうだったのか・・。
中学生の時、担任の先生は国語の先生で
私も友達もこの先生の授業が大好きだった。
今でも声色と紅潮した頬と笑顔をはっきり思い出す。
この先生が、何か学校の行事の朝は
教室に入ってきて何も言わず
黒板にでっかく、「僕も私も頑張る」
と太字で書くのだった。
多分運動会が終わった時だったと思うが
にきび面の男子が
頑張る、の「る」を消して「りました」と書き直した。
「僕も私も頑張りました」
の文字を見て、みんな満足して
先生が教室に帰ってくるのを待っていたように思う。
運動場を裸足で駆け抜けた、あの子はどうしてるかな?
私は元気でやってるよー。